津川先生の医療政策の教科書などは非常に参考になる書籍ではありますが、医療従事者の多くは医療政策まで勉強している人は少ないです。
でも「診療報酬」は勉強したいという声を多くいただきます。診療報酬は2年に一回の改定がありますが、その基本は医療政策になります。つまり、医療政策を理解すると、より診療報酬の意味が分かります。単なる点数表ではなく、国がどのように医療制度を変えていきたいかを勉強する事、それが医療政策の勉強会になります。
医事課を派遣会社頼みだった病院からの依頼で、医療政策研修を実施しました。診療報酬の心臓部である医事課を外部委託している事から改善したいとの事で、医事スタッフを自院で直接雇用する事と、院内に診療報酬や医療政策に詳しいスタッフがいないので、一から勉強したいという要望でした。
事務長、医事課長を始め、医事課採用のスタッフ全員に医療政策の勉強(武見太郎氏が医師会長をやっている頃から)を半世紀分実施。診療報酬などについても、全員が意味まで理解しており、病院経営において、方針や投資すべき事などが話されており、現在は病床規模を199床にする取組をしています。これらは、医療政策を勉強したスタッフから提言であり、自院が地域でどうあるべきかを考えてもスモールダウンジングになりますが、極めて前向きな取組であり、こうしたスタッフを増やす上でも必要な研修と考えます。