病床稼働率の向上

急性期病院(100床未満、大阪府)

都市部で急性期病院をやっていたが、稼働率が70%前後が数年続いており、打開を依頼頂いた事例です。医師数も常勤で7名、院長(理事長)、副院長は60歳代、50歳代3名、40歳台2名の病院です。

稼働率を上げる方法は大きく3つ

1)手術件数を増やす

2)救急車の受け入れ台数を増やす

3)外来から入院患者を見つける

手術にしろ、救急車にしろ、医師のやる気に大きく左右される部分がありますが、救急受入は月15台程度で、これを増やすには体制的にも厳しいとの事。手術件数を増やす件については医師からも同意があったので、手術案件の紹介を頂くべく、挨拶チームを設立しました。

副院長が立候補してくれたので、副院長と私に二人で付近のクリニックを100施設訪問を目標に行脚したところ、翌月には打診50件、入院15件と成果に繋がりました。地方都市という事もあってか、顔見知りの先生も多く、あんまり営業訪問をする医療機関はなく、副院長が挨拶に来たという事で、非常にインパクトがあったようです。(これはどこのエリアでも効果があります)

手術実績が増えてきたら、ホームページにも掲載。手術実績を目立つように構成し、SEO対策も開始。手術の場合、評判がよいと遠方からもやってこられるので、今ではWEBサイトからの流入もあります。

稼働率向上は一刻も早くどうにかして欲しい、といった依頼も多いですが、アレもコレもやって遅くなるよりは、一つずつ確実に成果を出す事で、向上させる事ができます。

療養病院(380床、神奈川県)

地方都市の療養病院から稼働率が下がっていると相談があり、サポートさせて頂きました。

数年前に隣県の療養病院は新築移転した事で、設備が古いという事もあって、患者が流れてしまい、設立以来、初めて赤字になったという事で理事長は大変危機感を持っていました。

稼働率は、これまで96~98%で推移していましたが、隣県の療養病院ができてから、毎年3~4%くらい低下して、3年後の現在は85~86%になってしまったとの事。素直に病院の主張を聞くのであれば、我々も設備を刷新しましょう、と言う事になりますが、まずは院内の見学と意見収集から始めたところ、入院打診の数が超少ない事が分かりました。
もともと月10件くらいの打診が、今は4~5件。退院される方が、毎月7~8名いるので、当然、減っていきます。また入院打診から返事までに3日程度掛かっている事、合併症の方を断っている事、認知症の方を断っている事などが分かりました。
病院側のルールではなく、勤務医や看護部の暗黙の了解みたいな感じであり、それを知って理事長は大変ショックを受けていました。稼働率をどうにかしよう、という会議体を創り、病院としての受入ルールの設定と、周辺医療機関への説明をする事を事務次長に依頼をしました。

結果、事務次長が周辺病院から聞いた評判は、紹介しても断られるので紹介できない、といった評判でした。隣県の療養病院ができたから、ではなく、内部事情が悪かっただけで、それが実数字として表れてきたのが同じ時期だったという感じです。

一から丁寧に挨拶訪問を実施し、属人的な判断で入院断りを止めさせたことで、半年で90%台。1年後には95%まで回復する事ができました。外部環境と内部要因、双方に問題があるかもしれない、と予断をしない事が大事という事例でした。

上記のように、急性期・療養型問わず、稼働率向上のサポートについては多数実績がございます。