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2024/4/30

THN(TOKYO HealthCare Network) 診療報酬改定2024

株式会社AMI&Iが主宰するTOKYO HealthCare Network(略称THN)月例オンライン勉強会です。
4月は、『診療報酬改定2024 鼎談☆マニアックに診療報酬を語りたい!』を開催しました

以下、案内です。

診療報酬改定がありました!
6年に一回の医療介護の同時改定!
お祭り騒ぎですが、とりあえず点数の解説は、よその勉強会にお任せしまして、もうちょっとマニアックな医療政策としての狙いを焦点に話をしたいと思います。

Q『診療報酬の勉強をしたいのですが、どういった勉強をすべきですか?』
こういった質問を診療報酬の講演をすると質問頂くことが多いですが、答えは
A『診療報酬は流れ(歴史)で勉強するのが、一番早いです』となります。

今回の診療報酬改定2024の目的は「対2025年問題」でした。
エヴァンゲリオンで例えるなら、対使徒用に、汎用人型決戦兵器を製造するような感じで準備していましたが、使徒と戦う前に研究所を攻撃されてしまって、汎用人型決戦兵器が完成しなかった、のが、診療報酬改定2024になります。

2025年問題については、1985年にすでに予見されており、40年前から準備されてきました。
ご存じの通り、現在の日本の医療制度は1961年の「国民皆保険制度」からスタートします。
1960年代は高度経済成長期とあって、保険点数もどんどん上がるし、医療技術や医療機器の幅も広がり、さらに高齢者も少ない「途上国」であった日本は、保険料が余るくらいでした。

1973年に老人医療無料化がスタートします。
このアホな政策で、たった4年で順調だった日本の医療制度は傾き始めます。
高齢者医療を無制限の出来高で、しかも患者負担ゼロでOKにした結果、物凄い勢いで老人病院が増えて、余裕のあった保険料はあっという間に赤字になってしまいました。

1983年、老人保健法の施行をもって、老人医療費の無料化は終わりましたが、高齢者を入院させておくだけで診療報酬が入ってくる事から、老人病院はまだまだ多くありました。

1985年、第一次医療法改正。ここから、日本の医療制度改革がスタートしていきます。
診療報酬も、ここから医療政策のマイルストーンとしての性質を強く帯びてきます。(それまでは医療サービス料として報酬という側面が強かった)
同時に、1985年の段階で「団塊の世代が75歳以上になる2025年以降は、高齢者医療費がエライ事になる」と推測した国は、解決策を模索し始めます。当時としては「社会的入院の撲滅」が一番の課題でありましたが、これも2008年くらいにおおよそ解消する事に成功しています。

2008年以降、本格的に2025年問題の準備をしてきたと言っても過言ではないでしょう。
今回の勉強会で、2008年から話をしていくと、ちょっと時間内に終わらなさそうなので、今回は2018年改定から見た2024年改定について、鼎談方式で演者によってあーでもない、こーでもないといった話をさせて頂きます。

ちょっと他所では、聞けない話が中心ではありますが、診療報酬の勉強をしたい、という方であれば、新しい視座を得る事が出来るのではないかと思っております。医療政策は面白いですし、そのマイルストーンである診療報酬を読み解く事も、けっこう面白いものです。是非、皆様にご興味関心を頂ければと思っております。

講師紹介
☆山崎大作
1998年筑波大学社会学類卒、同年日経BP入社。
日経メディカル編集、日経ドラッグインフォメーション編集、日本経済新聞社企業報道部、日経バイオテク編集部などを経て、2021年4月より日経メディカル編集長。

☆三原岳
早稲田大学政治経済学卒業。 時事通信社、東京財団研究員を経て、2017年10月からニッセイ基礎研究所主任研究員に。
関心分野は医療・介護。 論文に「日本の医療保険における保険料賦課の現状と課題」「介護報酬複雑化の過程と問題点」(いずれも『社会政策』)。

☆溝口博重
株式会社AMI&I 代表取締役、NPO法人医桜 代表理事。
全国の医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を行うとともに、医学生に人気の研修「闘魂外来」やNPO法人日本救急クリニック協会の立ち上げに携わるなど、現場医療の課題解決にも精力的に参加している。
仕事への基本姿勢は「10年後の医療をもっと良く、さらに良く」

☆水八寿裕
株式会社実務薬学総合研究所代表取締役、ふくろうメディカル(個人事業主)代表。
東京理科大学薬学部臨床准教授、早稲田大学非常勤講師。
1993年、東京理科大学薬学部製薬学科卒業。同年薬剤師資格取得。1995年、同大学院修士修了(有機合成化学)。武田薬品工業(株)でのMR職等を経て、保険薬局の開設を試みるも失敗。その後大学病院薬剤師、保険薬局薬剤師、人材紹介会社を経験後に現職。2011年、震災時に自身の故郷の福島を中心に医療支援を行い、ともに活動した医療者から「医療の原点」について強い感銘を受けた。2017年、MR認定センター・MR継続研修検討委員会の委員として、MR業務のあり方について熱い議論に参加。