医療介護の世界では「2025年問題」というのがありますが、物流の世界では「2024年問題」というのがあります。
「物流の2024年問題」とは?
2024年4月1日以降、自動車運転業務の時間外労働時間を960時間とする規制が設けられることによって生じる問題の総称のことです。 2024年問題は、運送会社の利益の減少、トラックドライバーの給与の減少やそれに伴う離職など、今後の物流業界に大きな影響を与える問題です。
物流は、ビジネスの基幹部分です。商売の基本は右から左にモノを動かして売買が、超基本です。ビジネスの基本にして根幹ですね。
その物流業界において必要な物が運べなくなる物流クライシスという危機が発生するという訳です。これは別に医療業界も無関係ではなく、医薬品や消耗品など、実臨床に必要な物品なども届かなく可能性がある、という事です。これらは、原材料サプライヤー、メーカー、卸売業者、小売業者の4者の「荷主」と運送事業者との間で、いずれも「荷主」が部分的な工程最適化・コスト削減を追求していることにあると言われています。
すでに製薬会社や医薬品卸では、共同化や標準化による保管・輸送の効率化の取組を始めていますし、物流事業者にとっても時間短縮の側面だけではなく、作業の効率化による働きやすさやその先の収益構造の改善につながります。
そりゃAmazonも参入考える訳ですな。
この1~2年、ジェネリック大手3社の1つ「日医工」(富山)をはじめ、各地のメーカーで製造工程の問題が見つかり、相次いで業務停止命令や業務改善命令の行政処分が出されるなどして幅広い種類の医薬品の出荷が次々に止まった事も記憶に新しいです。ジェネリック医薬品の供給不足が全国各地で見られました。
これも医薬品物流の問題と言えるでしょう。
特にウクライナ・ロシア戦争によって、欧州のクスリ事情も大きく影響を受けています。
日本でも、古くは第一次世界大戦(1914~)では、医薬品価格が大きく高騰して問題になりました。というか、何よりモノがない。医薬品の輸入を頼っていると、国際社会情勢で薬が入ってこない事もあるって事ですね。中国やインドが医薬品の自国生産に拘っているのも、国防上の理由もあるって事ですね。
日本では医薬品費は9.6兆円。
それらを我々に届ける為の「医薬品物流」。
今回は、ゲスト講師に、製薬協の元常務理事の田中徳雄氏をお呼びして、基本から応用、裏からオモテまで、これを一緒に勉強しましょう!
※アーカイブ視聴対応です
【講師紹介】田中徳雄先生
〈略歴〉
1983年3月京都薬科大学薬学部を卒業。
1983年4月武田薬品入社
2006年10月に武田薬品医薬営業本部京都支店長、10年10月に横浜支店長を歴任。
2013年9月から日本製薬工業協会(製薬協)の常務理事就任。(22年9月に退任)
2019年5月からMR認定センターの専務理事就任。(22年3月に退任)
【主に質問する人たち】YMM
山崎大作(日経メディカル編集長)
溝口博重((株)AMI&I代表取締役)
水八寿裕((株)実務薬学総合研究所代表取締役)