5月8日に、新型コロナ感染症も5類相当に分類されました。
名実ともに、アフターコロナの時代に突入という感じです。
世界のデジタルヘルスの潮流も「オンライン診療」から、新しく「医療機器プログラム(SaMD)」の時代に移り変わりつつあります。
聞いた事ない方もいるかもしれませんが、医療機器プログラム(SaMD;Software as a Medical Device)とは、近年のAI・IoT技術等の発展を受け、薬の服用による治療や従来の医療機器と同様に、疾病の診断・治療を目的としたプログラムの事を言います。さらに、治療用アプリなど疾患の治療を目的としたものは「デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)」と細分化する事ができるのですが、従来の医療機器とは異なり、プログラムを医療機器として認証しようという世界観になってきます。
デジタルの最大のメリットは、「正確である」「劣化しにくい」「コピーによる劣化がない」「伝送による劣化がない」「再現性が高い」といった感じです。なんか、医療機器とかに向いてそうな特徴を持っています。
一方でデジタルの対比語として挙げられる「アナログ」は、ギリシャ語で「「αναλογία(比例の意)」が語源とされており、英語で「類似、相似、比喩」を意味する「analogy」になり、それが転じてアナログ(analog)になったとの事。アナログは「類似する」という意味を持っているそうです。
知らなかったですが、要するにアナログだと似たような事はできても同じことが再現できないって事かな、と思います。
そういう意味では「デジタル化」ってのは凄い事だなぁ、と思います。
医療機器プログラム(SaMD)は、医療DXの一環とも言えますし、新しい医療の在り方を示唆するものとも言えます。
一方で日進月歩で進化するプログラムの世界で、普通の医療機器のようなスピードで審査・認証をしていると、2世代くらい前のプログラムで動く医療機器プログラム(SaMD)しか世の中に出回らなくなります。
誰も得をしません。
そこで、米独英などは、独自に医療機器プログラム(SaMD)専門の審査規格を導入して、スピード感ある審査・認証をスタートしております。日本も、それに負けじと「うちの国も二段階認証制度(仮)をやるよ」という話をしております。新しいデジタルヘルスの形である、医療機器プログラム(SaMD)を楽しく、一緒に勉強しようという回です。
今回は、SaMDに詳しい桐山瑶子先生にご登壇&ご講演をいただきます!
今から、ドキドキ楽しみです。
【講師紹介】桐山瑶子先生
〈略歴〉
国立国際医療研究センター病院救命救急センターにて医師として従事
医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて、医療機器の審査・開発支援
平成29~30年度 厚生労働省 次世代医療機器・再生医療等製品評価指標作成事業 人工知能分野WG委員
令和2年度 厚生労働省医療産業海外実態調査事業における検討会 委員
現在は株式会社MICINにて、デジタルヘルスに関連する医療機器開発、オンライン診療システムの開発に携わる
【主に質問する人たち】
山崎大作(日経メディカル編集長)
溝口博重((株)AMI&I代表取締役)