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2026/1/28

THN主催「2026年 新春特別鼎談 医療政策の行方」開催報告

THN主催「2026年 新春特別鼎談 医療政策の行方」開催報告

― 経営危機の現実、政治の決断、そして診療報酬改定の着地点 ―

TOKYO HealthCare Network(THN)では、新春恒例の政策イベントとして、
「2026年 新春特別鼎談 医療政策の行方」をオンライン形式で開催しました。

本イベントは、医療政策の最新動向を多角的に整理し、医療機関関係者やヘルスケア業界の実務者が制度環境を理解することを目的として実施しているTHNの恒例企画です。医療政策研究、医療メディア、医療経営のそれぞれの視点から、日本の医療政策の現在地と今後の方向性について議論が行われました。

鼎談には、

  • 三原 岳 氏(ニッセイ基礎研究所 上席研究員)

  • 山崎 大作 氏(日経BP 医療メディアユニット長)

  • 溝口 博重(株式会社AMI&I 代表取締役)

の3名が登壇し、制度・政策・現場の視点を交差させながら議論が進められました。


深刻化する医療機関の経営危機

鼎談ではまず、2024年度診療報酬改定を踏まえた医療機関の経営環境について議論が行われました。

名目改定率0.88%という結果のもと、賃上げ対応のための評価料は設けられたものの、医療材料費や委託費、光熱費の上昇、人材確保難と賃上げ圧力などが重なり、多くの医療機関で経営環境が厳しさを増している現状が共有されました。

こうした状況の中で、医療機関の経営問題は個別の経営努力の問題ではなく、制度環境に起因する構造的な問題として顕在化しているという認識が示されました。


2025年「骨太方針」を巡る政策過程

続いて、2026年の医療政策を占う重要な材料として、2025年の骨太方針を巡る政策過程について議論が行われました。

「物価や経済の動向を踏まえて対応する」という文言が盛り込まれた背景や、その政策的意味について、制度設計や政治過程の観点から整理が行われました。政策形成のプロセスや関係主体の動きなど、普段表に出にくい政策過程についても紹介され、医療政策の決定構造を理解する視点が提示されました。


政権・連立再編と医療政策

また、政権体制や連立構造の変化が医療政策に与える影響についても議論が行われました。

高市政権の発足や連立の組み換えといった政治構造の変化を踏まえ、医療政策や社会保障政策がどのような方向に進む可能性があるのかについて、政策・政治・現場の視点から意見が交わされました。


2026年度診療報酬改定の展望

鼎談の後半では、今後の医療制度改革と診療報酬改定の方向性について議論が行われました。

2040年を見据えた医療制度改革や改正医療法の議論を背景に、急性期医療の役割の見直し、かかりつけ医機能の評価、医療費適正化政策など、今後の制度議論の主要論点が整理されました。

また、OTC類似薬の扱いや高額療養費制度の見直しなど、医療費政策を巡る議論についても紹介され、制度改革の方向性について多角的な視点から検討が行われました。


制度・政治・現場をつなぐ議論

今回の鼎談では、医療制度の設計や政策過程を専門的に分析する視点、医療政策を社会に伝えるメディアの視点、そして医療機関経営の現場の視点が交差することで、医療政策を立体的に理解する機会となりました。

参加者からは、

  • 「政策の背景や政治過程まで理解でき、非常に参考になった」

  • 「制度と現場の関係を考える良い機会になった」

といった声が寄せられました。


THNでは今後も、医療制度や医療政策の動向を共有し、医療・ヘルスケア分野に関わる人々が知見を深め、つながる場を提供していく予定です。