弊社代表の溝口博重が、ドイツの医療制度について講演を実施しました。
ドイツの医療制度は、複数提供者制の社会保険によるユニバーサルヘルスケアが実現されており、社会保険団体の競争という、日本とは異なる形式の社会保険制度を導入しています。
#3で触れましたフランスは、医師会と社会保険団体の折衝で診療報酬が決まったりと、医師や患者の意向が反映されやすく(と言っても限界がありますが)ユーザーフレンドリーによっている社会保険制度ならば、ドイツは社会保険団体と政府が最も効率のよい社会保険制度は何か、と追及した構成になっています。
一言でいえば「THE合理的」な制度設計です。
現在、医療保険には法的強制保険(Gesetzliche Krankenversicherung、傷病金庫)と私的保険(Private Krankenversicherung)の2種類があります。比率は9:1で私的保険に入っている人が少ないです。一応、いずれかを選択できますが、私的保険を選択すると公的保険には復帰できない仕様です。
戦前の日本は、ドイツ(プロイセン)を手本に社会保険方式の公的医療保険制度を導入しています。また現在の日本の介護保険制度はドイツを手本としており、制度的には親戚と言っても良いかと思います。。
とはいえ、イギリスやフランスに視察に行く事はあっても、なかなかドイツに医療制度の視察に行くといった話を聞きません。
お手本なのに、視察に行かないとはコレいかに?
また日本は超高齢化社会に突入して、医療制度改革待ったなしです。フランスでは多層的に制度改革に取り組んでいますが、もう一つの代表格であるドイツがどのような医療制度改革をしているのかを勉強するのは、日本の制度を理解する一助になる事、これ請け合いです。