ASEANの医療制度、後半はフィリピンの医療制度になります。
ASEAN諸国において、フィリピンの医療提供環境は、良いとは言えない状況であり、様々な課題解決が必要な国の一つとなっています。一部、観光エリアなどは私立病院があり、世界標準の医療が提供されていますが、国全体で見た場合、決して良いとは言えない医療水準の国となっています。
1つ目は、医療資格者の問題です。
医師、看護師などが不足しております。
また医療資格者が出稼ぎで海外に行ってしまっており、熟練のスタッフが不足している、という意味でも、質と量の両面での課題があります。
2つ目は、医療機関数が少ない事です。
フィリピンは、インドネシアについて、世界第二位の島嶼国家です。いっぱい島があります。
人も分散しており、全域をカバーする事が物理的に難しいです。
3つ目は、デジタルヘルスどころではない事です。
そもそものインフラ整備が追い付いておらず、ほかのASEAN諸国のようにデジタルヘルスにまで手が回っていません。
またITエンジニアもいるにはいますが、それは都市部に限る上、市場形成がなされていません。
これは医師がデジタル導入を嫌っている事(これはどこの国も共通ですが)、フィリピン国民の多くが直接医師に診て欲しいという希望(日本やドイツも同じです)がある為です。
一方で、人口が1億人を突破して、経済成長などを考えていくと、先々、大きな医療マーケットがある可能性もあります。
あんまりフィリピンの医療市場に参入する企業もないですが、まずはフィリピンの医療制度ってどうなってるのか?を一緒に勉強できればと思います。