イギリスの医療制度は、WW2大戦後にスタートしており、俗にビバレッジ方式などと呼ばれています。
NHSによる国家直営の、租税を財源とした医療制度になります。
社会保険方式と租税方式が、世界の医療制度の二大潮流ですので、その一角の領袖みたいなポジションにある国がイギリスになります。
本邦でも話題になっております、かかりつけ医の源流となります『GP制度』発祥の国であり、現在でも多くのイギリス植民地国だったエリアで継承されています。この『GP制度』も2度ほど大きな改革をえて、現在のカタチになりました。完成度は国家がグランドデザインしているのに、柔軟性もあり(もちろん課題もありますが)、また目的などもはっきりしています。
1997年の当時のブレア首相によるNHS改革の影響が大きいのはもちろんですが、NHS自体、わりとイギリス国民に愛されています。
さて、このNHSは『GP制度』の別名『ゲートキーパー制度』というように、二次医療機関への紹介ハードルが高めです。
できるだけ、プライマリーケアで解決しようぜ!というコンセプトで設計されており、医師より看護師、薬剤師、もっと言えばWEBシステムとかで解決できないの?という「デジタルプライマリーヘルス」が発展している国でもあります。
診療所向けのデジタルヘルス特化の国、というと分かり易いでしょうか。
「手のひらのGP」の愛称で知られるAIドクターを初め、利便性と効率化、そして経済性を重視したサービスが多くある国です。
オンライン診療なども、コロナ禍をきっかけに、全てのGPの診療所に導入が義務付けられたり、と国家が直接運営に関わってるからこそのダイナミックな取り決めなどもあったりします。
でも、基本は住民参加型の医療って奴を求めているようで、日本の地域包括ケアの5~6歩先の仕組みを導入しているようにも、思えます。
多くの国で『GP制度』が参考にされているのは、その完成度の高さと、効果があるからです。
イギリスの医療制度は、様々な医療制度がある中でも、基本中の基本とも言えるでしょう。
多職種も活躍しており、経済合理性と、利便性のバランスなど、制度システムとして参考になる事がたくさんです。