「教養としての戦争と医療と法」と題しまして、無料のオンライン勉強会を毎月最終週の火曜19時より企画開催しています。
https://geopolitics-war.peatix.com/
ご興味頂けるようであれば、是非ご参加ください。
昨今の世界情勢などもありますが、何事も歴史があります。
近代以降の国際情勢を学びながら、発見やら学びをしていければと思っております。
第一次世界大戦シリーズ最終回「1917年―制度が崩れ、戦争が加速した年」
「教養としての戦争と医療と法」と題したオンライン勉強会を、2025年11月25日に開催しました。本講座は、近代以降の国際秩序の形成過程を、戦争・医療・法という3つの視点から読み解く連続講座として、毎月開催している勉強会です。
講師は、研究員の緒方健氏と、株式会社AMI&I代表取締役の溝口博重が務め、歴史的な戦争を単なる軍事史としてではなく、制度史や社会構造の変化の観点から解説しています。
今回の講座では、これまで続いてきた第一次世界大戦シリーズの最終回として、1917年という転換点の年に焦点を当てました。
1914年に始まった第一次世界大戦は、当初「クリスマスまでに終わる」とも言われていました。しかし戦争は長期化し、1917年には戦争の性質そのものが大きく変化します。
講座では、この年を
「制度が試され、崩れ、そして新しい理念が生まれ始めた年」
として位置づけ、政治・軍事・医療・国際法の視点から整理しました。
特に、戦争の長期化の中で、国家や国際秩序を支えていた制度が次々と揺らぎ始めた状況について解説が行われました。
1917年前後の国際情勢では、従来の外交秩序や国際法が大きく揺らぎます。
無制限潜水艦作戦、秘密外交の暴露、そして各国の戦争目的の変化など、国際ルールが形骸化していく過程が紹介されました。また、その混乱の中から、ウィルソンの「十四か条」に象徴される新しい国際秩序の理念が芽生え始めたことも取り上げられました。
第一次世界大戦は、戦場医療の歴史においても大きな転換点となりました。
塹壕戦、毒ガス、砲撃による重度外傷など、従来の医療技術では対応が困難な状況が次々と生まれ、医療は極限状態に置かれます。
一方で、こうした状況の中で、
輸血技術の発展
X線の戦場での活用
前線医療ユニットの整備
など、現代医療につながる重要な技術や制度が生まれていきました。講座では、戦争という極限状況が医療制度や医療技術の進展にも影響を与えた歴史的背景について解説が行われました。
また1917年は、戦争の政治構造にも大きな変化をもたらしました。
ロシア革命による国家体制の崩壊、アメリカの参戦による戦争構造の変化など、戦争がヨーロッパの地域戦争から真の「世界大戦」へと拡大していく過程が紹介されました。
各国の政治体制や社会の動揺も含め、戦争が国家そのものを揺るがす事態へと発展していく様子が議論されました。
本講座を通じて示されたのは、戦争が単に軍事衝突であるだけでなく、法・医療・倫理といった社会制度そのものを試す出来事であるという点です。
制度が機能不全に陥る状況の中でも、人々は新しい理念や技術を模索し続けます。第一次世界大戦は、多くの犠牲を伴いながらも、20世紀の国際秩序や医療制度の形成に大きな影響を与えた歴史的転換点でもありました。
「教養としての戦争と医療と法」では、今後も近代以降の戦争史を題材に、国際秩序や医療制度の変化を多角的に読み解く講座を継続していく予定です。
過去の講座動画も公開しており、ウェストファリア条約から第一次世界大戦までの国際秩序の変化を体系的に学ぶことができます。
歴史を単なる知識としてではなく、現代社会を理解するための教養として捉える機会として、多くの方にご参加いただければ幸いです。
【講師】
緒方 健氏(鹿児島出身) 研究員
溝口博重氏(青森県出身) AMI&I代表取締役
【過去開催の動画視聴もできます】
#1ウェストファリア条約~国家主権~
#2絶対王政への反抗~フランス革命~
#3ナポレオン戦争~欧州近代史の始まり~
#4イタリア統一戦争
#5クリミア戦争
#6アメリカ独立戦争
#7アメリカ南北戦争
#8アヘン戦争
#9普仏戦争
#10ビスマルク外交とベルリン会議
#11 日清戦争
#12 日露戦争
#13 第一次世界大戦 前夜 ~バルカン戦争~
#14 第一次世界大戦 1914-1915
#15 第一次世界大戦 1915-1916
#16 第一次世界大戦 1916-1917
#17 第一次世界大戦 1917
#18 第一次世界大戦 1918