医師会員26万人のメディカルトリビューンにて、弊社代表溝口博重の連載記事がアップされました。
今回は記事で指南の第22回になります。
指南㉒これで選ばれる!「患者コスト」で考える勝ち筋の設計 | 組織マネジメント道場 | Medical Tribune
本記事では、医療機関の経営戦略を考えるうえで不可欠な視点として、マイケル・ポーターの競争戦略論を医療に応用し、「患者に選ばれる医療機関」をつくるための実践的な枠組みを提示しています。
前回取り上げたポジショニング戦略(どこで・誰に・どのような価値を届けるか)を出発点としつつ、本稿ではその先にある「どのように勝つか」という問いに正面から向き合います。
一般産業におけるコストリーダーシップは「低価格」が前提ですが、保険診療下の医療では価格競争は成立しません。そこで本稿では、医療における“コスト”を価格ではなく、患者が受診時に負担する行動コストとして再定義します。
具体的には、
待ち時間や手続きに要する時間コスト
通院そのものが負担となる移動コスト
病気や治療に対する不安コスト
受診判断を妨げる情報不足コスト
という4つの患者コストが、受診行動と医療機関選択を強く左右していることを明らかにしています。
これらの患者コストは、医療機関内部の事情とは無関係に存在する「外部環境」です。
したがって、戦略とは内部効率化の話ではなく、外部環境としての患者コストにどこまで適応できるかという問題になります。
ウェブ予約、ウェブ問診、待ち時間短縮、分かりやすい情報提供、会計動線の改善などは、単なるIT化や業務改善ではなく、患者の行動コストを下げる明確な戦略行為であることが示されています。
記事後半では、医療機関が実際にこの戦略を実装するための方法として、次の3層構造が提示されます。
患者コストを把握する(外部環境の正確な理解)
内部オペレーションに落とし込む(業務・動線・仕組みの再設計)
患者に“楽さ”として伝わる形にする(UXとしての体験設計)
この3層が連動したとき、医療機関は「医療の質」だけでなく、「受診しやすさ」という明確な競争優位を獲得できると論じています。
医療機関が選ばれるかどうかは、専門性や評判だけで決まるものではありません。
患者が感じる負担、すなわち患者コストにどれだけ適応できているかが、実は最大の分岐点となります。
本記事は、
ポジショニング × 患者コスト × オペレーション × UX
を一体で捉え、医療機関経営を戦略的に再構築するための実践的な指針を提示しています。
「なぜ患者が来ないのか」「なぜ再診が続かないのか」と悩む医療機関にとって、現場を変えるための視座を与える一本です。