「教養としての戦争と医療と法」と題しまして、無料のオンライン勉強会を毎月最終週の火曜19時より企画開催しています。
https://geopolitics-war.peatix.com/
ご興味頂けるようであれば、是非ご参加ください。
昨今の世界情勢などもありますが、何事も歴史があります。
近代以降の国際情勢を学びながら、発見やら学びをしていければと思っております。
【講師】
緒方 健氏(鹿児島出身) 研究員
溝口博重氏(青森県出身) AMI&I代表取締役
【過去開催の動画視聴もできます】
#1ウェストファリア条約~国家主権~
#2絶対王政への反抗~フランス革命~
#3ナポレオン戦争~欧州近代史の始まり~
#4イタリア統一戦争
#5クリミア戦争
#6アメリカ独立戦争
#7アメリカ南北戦争
#8アヘン戦争
#9普仏戦争
#10ビスマルク外交とベルリン会議
第11回「教養としての戦争と法と医療」勉強会を開催しました
弊社主催の勉強会「教養としての戦争と法と医療」の第11回が開催されました。今回のテーマは「清仏戦争と日清戦争」。
講師を務めたのは、弊社代表であり歴史と医療法の専門家である溝口博重です。
本講義では、19世紀後半に東アジアで起こった二つの戦争が、国際関係や軍事、医療、法制度にどのような影響を及ぼしたのかを多角的に解説しました。主な内容は以下の通りです。
1. 清仏戦争の背景と戦争の展開
清仏戦争(1884–1885年)は、フランスのインドシナ半島進出に対する清朝の抵抗をめぐる戦争でした。フランスの植民地政策の背景、清国側の対応、戦争勃発の経緯について詳しく解説が行われました。特に、フランスの軍事戦略と清国の対応の違いが焦点となり、台湾侵攻や劉銘伝の防衛策なども紹介されました。
2. 戦争の結果と東アジア情勢への影響
清仏戦争の結果、フランスがトンキンを完全に支配し、清国は宗主権を放棄せざるを得なくなりました。この戦争が清国の国際的地位に与えた影響や、日清戦争への布石となった点についても議論されました。また、清仏戦争後のフランスのインドシナ支配の確立が、後の欧米列強による中国分割の流れにつながることが強調されました。
3. 日清戦争の勃発と戦争の展開
日清戦争(1894–1895年)は、日本と清国の朝鮮半島をめぐる戦争であり、近代日本の国際的地位を決定づける戦争となりました。戦争の発端となった東学党の乱や、戦争前の日本と清国の対応、戦場での戦略について、当時の軍事技術や兵站(ロジスティクス)の観点から解説が行われました。特に、黄海海戦や遼東半島での陸戦の展開についても触れられました。
4. 下関条約と戦後の国際関係
戦争の結果、日本は清国に対して大勝し、1895年の下関条約により遼東半島、台湾、澎湖諸島を獲得しました。しかし、三国干渉により遼東半島の返還を余儀なくされるなど、日本の外交的課題も浮き彫りになりました。戦後の東アジア情勢の変化と、清国の弱体化による列強の中国進出の加速についても説明がなされました。
5. 戦争と医療・法制度の関係
戦時中の医療体制や負傷兵の処置、赤十字の活動など、戦争が医療制度に与えた影響についても触れられました。また、戦争を通じた国際法の適用や、戦争捕虜の扱いなど、法的側面についても議論が行われました。特に、日清戦争における日本の医療体制の整備や、戦争を通じて生じた公衆衛生の進展についても詳しく解説されました。
今回の勉強会では、戦争が社会や医療、国際関係に及ぼす影響について、多くの視点からの分析が行われ、参加者からも活発な意見や質問が寄せられました。特に、「戦争が医療や法律制度の発展に果たした役割」についての議論が盛り上がり、有意義な時間となりました。
次回は、「日露戦争」をテーマに開催予定です。詳細については追ってお知らせいたします。
今後も多くの方のご参加をお待ちしております。