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2025/12/19

【掲載】メディカルトリビューンvol.58 特別号に 弊社代表の溝口の対談記事が掲載されました。

医療メディア新時代における「紙媒体」の意義について

メディカルトリビューン誌上において、アンター株式会社 代表の中山俊氏と弊社代表・溝口博重が、「医療メディア新時代に向けて」をテーマに討論を行いました。討論では、医療業界における情報流通の主流がデジタルへ移行する中で、今後も紙媒体は必要なのか、という点が中心的な論点となりました。

医療情報のデジタル化は、速報性・検索性・個別最適化という観点から、今後さらに加速していくことは間違いありません。インターネットやデジタルメディアは、読者が「今、知りたい情報」「関心のある分野」に即座にアクセスできる点で極めて優れた媒体です。一方で、その利便性の裏側では、アルゴリズムや検索行動によって情報接触が最適化されすぎる結果、読者の関心領域が狭まりやすいという構造的な課題も内包しています。

これに対し、溝口は紙媒体の持つ本質的な強みとして、「自らは積極的に探さない情報との偶発的な出会い」を挙げました。紙面は、特定の関心や目的を前提としない状態で情報に触れることができ、専門外の分野や異なる立場の意見、業界全体を俯瞰する視点に自然と接触できる特性を持っています。これは、専門分化が進む医療業界において、視野の固定化や分断を防ぐうえで重要な役割を果たします。

特に医療分野では、診療・研究・経営・政策・テクノロジーといった多様な領域が相互に影響し合っています。自身の専門領域に閉じた情報収集だけでは、制度改正の背景や他職種の課題、業界全体の潮流を見誤るリスクが高まります。その点で紙媒体は、医療従事者が「考えるきっかけ」や「視点のずれ」を得るための装置として、今後も一定の価値を持ち続けると述べました。

結論として、溝口は「デジタルか紙か」という二項対立ではなく、即時性と個別最適化を担うデジタルメディアと、偶発性と俯瞰性を担う紙媒体が役割分担しながら共存していくことが、医療メディアの健全な発展につながるとの見解を示しました。医療業界が変化の激しい時代にあるからこそ、多様な情報接触の回路を維持することが重要であり、その一翼を紙媒体が担い続ける意義は決して小さくないと考えています。