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2025/1/06

【講演】日本の医療制度の歴史~平成篇~を開催しました

2025年1月6日、弊社主催の勉強会「日本の医療制度の歴史」最終回が開催されました。今回のテーマは「日本の医療制度の歴史~平成篇~」。
講師は弊社代表であり、医療経営と政策の専門家である溝口博重が務めました。
平成時代は、昭和末期から続く医療制度の変革を引き継ぎつつ、急速な高齢化や医療費の増加など、現代の医療課題に対応するための政策が数多く展開された時期です。
本勉強会では、1985年の第一次医療法改正から平成最後の2019年までの医療制度の変遷を取り上げ、現代医療への影響について詳しく解説しました。

1. 昭和末期からの医療制度改革
1985年に行われた第一次医療法改正は、日本の医療制度における重要な転換点とされています。本セッションでは、この改正が医療提供体制の整備にどのような影響を与えたかについて解説しました。
医療機関の機能分化: 大病院と診療所の役割分担の明確化。
地域医療計画の策定: 各地域で必要な医療資源を計画的に配置するための枠組みの導入。

2. 平成初期における国民皆保険の進化
平成初期には、国民皆保険体制を維持しつつ、高齢化社会への対応が進められました。
1994年の老人保健法改正: 高齢者医療制度の整備と介護保険制度への布石。
診療報酬制度の改定: 医療費の効率化と質の向上を目指した取り組み。

3. 2000年以降の医療制度の変革
2000年以降、少子高齢化が進む中で、医療と介護の連携が求められるようになりました。
介護保険制度の創設(2000年): 医療と介護の役割分担を明確化し、高齢者支援の新しい枠組みを構築。
2006年の医療制度改革: 「地域包括ケア」の概念が登場し、患者中心の医療提供体制が推進。
DPC制度(包括支払方式)の導入: 大学病院や地域医療支援病院を中心に診療データを活用した効率化が進められました。

4. 平成後期の課題と挑戦
平成後期には、人口減少や医療従事者の確保など、新たな課題に直面しました。
働き方改革の推進: 医療従事者の負担軽減と労働環境の改善。
オンライン診療の拡大: 技術革新に伴う遠隔医療の可能性と課題。
2018年の医療法改正: 医療法人のガバナンス強化と、病院運営の透明性向上を目指した改革。

5. 平成時代が現代医療に与えた影響
平成時代に導入された制度や取り組みが、どのように現代の医療体制の基盤となっているかについて考察しました。
特に、地域包括ケアや介護保険制度の整備が日本独自の高齢化対応モデルとして評価されている点が強調されました。

6. 参加者の声
参加者からは、「平成時代における医療政策の具体的な内容が分かり、現代の医療課題を考えるうえで大変参考になった」といった感想が寄せられました。また、地域医療や遠隔医療の課題について活発な意見交換が行われました。

今回で「日本の医療制度の歴史」シリーズは最終回を迎えましたが、シリーズを通じて、日本の医療制度の変遷を学び、現代の医療課題への理解を深めることができました。引き続き、医療や政策に関する勉強会を開催予定ですので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。