病床の機能転換

療養病床(298床、奈良県)

西日本最大規模の介護医療院への転換

一般病床49、介護療養249の病院を一般病床60、介護医療院238床に機能転換しました。ご存じの通り、介護療養病床は廃止の予定があり、早期転換であれば加算もあった事から、2018年9月に西日本で2番目、全国で最大規模の転換をしました。

病床転換のポイント

「介護医療院」の基本的な機能は「介護療養病床」と変わらない、という説明をしても、納得頂けず、どう仕事が変わるのか、といった話に終始しており、なかなか現場の同意が得られませんでした。

その為、組織開発のメソッドを導入。5年後、10年後に我々がどういった医療介護をこの地域に提供すべきかをスタッフにディカッションを頂き、どういった機能・役割を持つべきか、という観点から「介護医療院」を導入しても良いのではないか、という決着がつきました。法人方針という説明だけでは不足しており、スタッフに納得頂ける立て付けが重要といえた事例でしょう。

もちろん、これだけではありませんが、機能転換には法人の意思決定だけでなく、スタッフの同意賛成も必要となります。介護医療院の転換に関しては、2024年3月で一旦終了するかと思いますが、運用等については、これからになります。

急性期病院(199床、千葉県)ほか多数

地域包括ケア病床への転換

こちらは取り組ませて頂いた事例が多いですが、地ケア病床は今後の病院経営をする上で、高度急性期病院と回復期リハビリ病院以外では超大事な病床機能となります。

1)ポストアキュート機能

2)サブアキュート機能

地域包括ケア病床の名称の通り、サブアキュート機能が今後重視されます。在宅クリニックとの連携だけでなく、高齢者救急などの機能を持つ必要があります。

地域包括ケア病床への転換への課題

「地域包括ケア病床」が何をする病床なのか、多くのスタッフが理解できないケースが大半です。なぜならば、「地域包括ケア病床」は病院ごとに運用形態が異なっており、看護部なども中途採用の方などは前の病院ではこうだった、といった話があり、病床転換の際には、かなり錯綜した情報が入り乱れております。

正しい情報をしっかりと伝える事、Q&Aの機会を一度と言わず何度も実施する事が重要です。弊社では病院側の許可があれば「ChatWork」「スラック」といったサービスを使って、非同期型の質問を受け入れるようにしています。(非同期型とはリアルタイムの質疑ではなく、掲示板でやり取りする感じです)

LINEほどライトではなく、メールほど重くない、といった感じでしょうか。年配の方には少し不慣れな部分がありますが、なれますと様々な疑問や質問をして頂けるようになります。コミュニケーションの総量を増やす事で、地ケア病床の導入のハードルはグッと下がります。

よく、地域包括ケア病床は赤字だ、という病院がありますが、多くの場合は、スタッフへの理解が乏しく、どう使えばよいか分かっていないケースも、転換して数年経過しても、散見する話です。こういうケースは医療コンサル会社の机上の転換モデルで病床転換をしたが、実際のマネジメントは丸投げされて、現場が何をして良いかわからない、コンサル会社も何を指示してよいか分からない、結果、運用が曖昧で赤字、というケースです。

地域資源としても勿体ないですし、是非、地ケア病床が赤字で困っている、といった話があれば、是非ご相談ください。