診療科のセンター化

急性期病院(280床、茨城県)

臨床研修病院として、医局派遣から徐々に自前主義の医療機関が増える中で、診療科同士のコミュニケーションが難しくなってくるケースが増えており、その解決策の一つとしてセンター化を企画する事があります。

外科と内科のコミュニケーションが悪いと、消化器内科の患者を他院へ手術紹介する事が発生します。意外に全国各地の病院で散見するので、珍しくない事だと思いますが、院内では中々解決する事ができず、外部の弊社のような会社に依頼を頂く事があります。

外科系が医局派遣、内科系が生え抜きだったりする場合に有効です。当該ケースでも消化器の外科内科の風通しが悪く、かといって、医局からの派遣がなくなるのは困るし、生え抜きの先生方に辞められても困るという事で、長らく放置されていましたが、これではまずいと一念発起して病院側が解決に乗り出した次第です。

初めは、消化器外科、消化器内科の双方の科長先生と話をするところから始めましたが、お互いに協力をする医師があるよ、という話だけで、具体的な歩み寄りはする気がないような感じでした。科長同士を呼んで会食などをセッティングしましたが、改善の見込みなし。

研修医にも話を聞いてみましたが、外科と内科は仲悪いといった事を知っており、研修医集めの観点でもマイナスだな、といった印象でした。そういった事もありまして、消化器のセンター化プロジェクトを開始。合同カンファレンス、紹介件数、手術件数などをKPIとして数値目標化。センター化にともなって欲しい機器などがあれば購入するから、話し合って、と言う事で、共同作業を増やす事でコミュニケーションの密度を高めました。

バーナードの組織の三要素というのがありますが

1)共通目的:一緒に組織として達成する目標の事

2)協働意志:一緒に目標達成するぞ、という意思表示の事

3)意思疎通:コミュニケーションの事

組織を有機的に動かすために必要な要素であり、診療科のセンター化に限らずですが、これを押さえる事でスムーズに組織の一体化をする事ができます。要するに、同じ方向への目線合わせが大事という事になります。

現在では、非常に上手く回っています。